« 突然変異~花粉症がピタリと止まった | トップページ | 舌打ちしたい気分 »

2014年3月 9日 (日)

三枝改メ 六代 桂文枝 襲名披露公演 大千穐樂

昨日、フェスティバルホールに行ってまいりました。

まあ~なんとまあ~、ゴージャスな4時間。圧巻でした!凄かったのひとことに尽きます。「あれは現実だったんだろうか。夢を見ていたのではないかしらん」と今も思うぐらい、現実離れしていた大きな大きな落語会でした。

印象に残ったことは、会場の何千人もの人々の祝福を浴びながら、「孤独」を感じさせた文枝師匠の背中ですね。トップに立つ人間特有の孤独な背中。天賦の才に甘んじることなく、とても真面目で、いつも努力を続けておられる真摯な姿勢に感服しました。

100点を求められたら、120点にも130点にもして返してこられるお方です。私もそうありたいと願いました。レベルが違いすぎますが。

Dscf7456

公演の模様を仔細に書けたらいいなあ~と思うのですが、とてもとても。なので、演芸作家のすみのけいし先生のブログを勝手にコピー&ペースト(笑)。公演の空気がリアルに伝わってくる素晴らしい文章です!お楽しみください!

===============================

すみの先生のブログより

「三枝改メ六代桂文枝襲名披露公演大千穐樂」(大阪・中之島:フェスティバルホール/2014年3月8日㊏)

 40数年に及ぶ一大ブランド「桂三枝」から「六代桂文枝」襲名へと世間に知らしめるには実に壮大な時間を及ぼさなければなかった。2012(平成24)年7月の大阪・なんばグランド花月、今や老舗の笑いの殿堂を皮切りに先ごろ新装、フェスティバルホールでの今回、大千穐樂(おおせんしゅうらく)。ミナミに始まりキタで終えたそのツアーは大阪もちろん申すに及ばず日本列島北から南は当然ながら、遠くはパリ、バンコク、ホーチミンへと海外にまで広がり、実に1年8ヵ月全112にも及ぶその大ロングラン興行となり、そしてついにこの日、奇跡の顔合わせ、空前絶後史上最大の超豪華版、夢の実現と相成った。
「三枝改メ六代桂文枝襲名披露公演大千穐樂」(大阪・中之島:フェスティバルホール/2014年3月8日㊏)
「三枝改メ六代桂文枝襲名披露公演大千穐樂」(大阪・中之島:フェスティバルホール/2014年3月8日㊏)     ▽第一部・大千穐樂落語会
  ①ご祝儀/桂文珍
  ②こぶ取り爺さん/立川志の輔
  ③山号寺号/柳亭市馬
  ④ご祝儀・ざっこばらん/桂ざこば
  ⑤ご祝儀/鈴々舎馬風
  ⑥ご祝儀/桂歌丸
  ⑦妻の旅行/三枝改メ六代桂文枝
 ▽第二部・大口上
  ①林家三平②林家たい平③立川志らく④立川志の輔   ⑤春風亭昇太⑥柳亭市馬⑦林家正蔵⑧三遊亭円楽   ⑨桂文珍⑩三遊亭小遊三⑪林家染丸(休演)⑫三遊亭好楽   ⑬桂ざこば⑭笑福亭仁鶴⑮林家木久扇⑯鈴々舎馬風⑰桂歌丸
  三枝改メ六代桂文枝 司会/桂きん枝
  ※幕前サプライズ口上/笑福亭松之助、明石家さんま
 ▽第三部・創作落語    ~熱き想いを花と月に馳せて~瀧廉太郎物語/三枝改メ六代桂文枝
   編曲/三枝成彰    合唱/六本木男声合唱団       (ケント・ギルバート、辰巳琢郎、柳亭市馬、桂三風ほか)
 ▽グランドフィナーレ   五代目桂文枝一門、六代桂文枝一門
 お囃子/入谷和女、はやしや美紀  笛/桂あさ吉、鳴物/桂三幸
(以上、敬称略)

   第一部は各自持ち時間10分前後、寄席形式の落語会。一言でいえば、NGK天満天神繁昌亭、それに新宿末広亭浅草演芸ホールがドッキングしたような夢の寄席。何より開口一番が文珍師というだけでそのプレミア感、である。その文珍師はお得意の、老人ネタ、フリーな“ショートプログラム”の「ご祝儀」(※時間の都合上、本題には入らず、マクラや漫談などはすべて演題をこう記させていただく)で幕は開け、さらに志の輔師の新作があり、市馬師の美声を交えた一編、ざこば師の爆笑ぼやきで吼えまくり、馬風師のおなじみ『美空ひばりメドレー』を延々と唸りまくる(笑)。そして歌丸師である。が、歌丸師(を初めとする第二部ご出演のいわゆる『笑点』メンバーご一行)は、この日高知収録から大阪に到着したものの、空港から会場までの高速が渋滞するというアクシデントに見舞われしまう。その到着までを凌ぐべく、口上司会の桂きん枝師が恐縮しながら急遽舞台へ登場。今回の襲名公演の、ほぼ各地に赴いただけあり公演秘話も山盛りである。それらを漫談仕立てで披露しようとした矢先に、すかさず袖から鐘がチン。歌丸師匠、ご到着、そのままお後交代となってしまう。何ともきん枝師らしい“出番”であった(笑)。
 歌丸師のご祝儀に引き続き第一部トリは、文枝師。メインだけあってとほかの師匠連が持ち時間10分に対して「僕は、(それでもたったの)13分!…けど、途中できん枝君が割り込んだせいで、時間が押して、9分に縮まりました!」、アハハ。マクラでもイジられたきん枝師、実は文枝師がもっとも信頼を寄せた今襲名公演の陰日向、大功労者。口上司会でも程好い緩さで(笑)、最後まで良い仕事を果たされた。ロングラン公演でほっと安堵、感慨ひとしおなのは、きん枝師なのかもしれない。そして文枝師は割を食った分(笑)、逆手に勢いつけて「妻の旅行」で爆笑圧巻。しばしの中入の後、第二部大口上へとなだれ込む。
 緞帳上がって、ズラリ居並ぶ黒紋付18人の噺家たち。これまた圧巻。志らく師は「立川談志」降臨で、「文枝襲名」までに顛末を語れば、市馬師は自慢の美声で相撲、ならぬ「文枝甚句」を披露し、たい平師は身体を張ってお馴染みの打ち上げ花火をあげたかと思うと、木久扇師は馬風師の珍リクエストで往年の時代劇スターが連続降臨。正蔵、好楽師が日ごろの恩を称えれば小遊三師は、「もう文枝師は立派なのは分かりましたので、これからは私、小遊三をよろしく」を自らを売り込んだかと思えば、歌丸師は「本日は桂文枝引退公演にようこそ」…でひっちゃかめっちゃか(笑)。上方落語協会、落語協会、落語芸術協会、落語立川流、円楽党…と東西五派の代表が揃い踏みで、仁鶴師曰く、「まるで口上の紅白歌合戦みたいですな」
 ちなみにここだけの話、口上の背景には歴代各地の公演で披露された9枚の祝い幕。ここに18名の豪華噺家陣。これらを撮影したある新聞記者が、直後を収めたパソコンの画像相手にニラメッコ、その紙面の構図に収めようか非常に困っている姿を、このあとの中入、ロビーで見つけた。ある社は「ウチは見開きで使います」と電話連絡を取っていたのを小耳に挟んだが果たしてどの社の記事か。とにかくそれほどまで、かつてないオールスター口上、壮観の図であったというわけだ。
 染丸師の休演は惜しまれつつも(その分、染丸師直伝の和女師、美紀師がお囃子で奮闘)、豪華な口上を見せてもらったなと満足していたら、第三部準備までの幕前には明石家さんま師が師匠・笑福亭松之助師と共に登場というサプライズ口上が。
 もはや、文枝師を相手に、すっかり恒例のさんま師の、若き日の薫陶、ぼやきトーク。今思えば「佐村河内さん(文枝)と新垣さん(さんま)みたいな関係でした」とやって会場大爆笑。これからは佐村河内氏をサニー、新垣さんをチャッピーと呼ばなければならない。
 このサプライズ口上は幕前トーク、トリオ漫才仕立ての立ちスタイルで行われた。文枝師はご高齢の松之助師に気を遣い、さんま師に椅子の用意を促すも松之助師は椅子を断固拒否。さんま師椅子を用意したまま呆然(笑)。三つ巴トークは、頃合を見計らい師匠に椅子を勧めるさんま師が妙におかしい。そんなさんま師に目で合図を送っては、「ワシャ、椅子いらん!」と怒ってのける松之助師が一層おかしい。そして若い!。とても89歳とは思えぬ迫力である。史上最強の師弟のミニコント相手に、文枝師まだまだ老いてはいられぬ心丈夫である。
 第三部は、この日のために創作されたネタおろし。照明、スライド、音楽。それに下手、中央、上手へ高座を移動させながら大舞台をめいっぱい、「創作の文枝」の壮大かつ実験精神にあふれた大作は、歴戦の舞台を踏んだからこその新装フェスティバルホールへのご祝儀かもしれない。さらには「瀧廉太郎物語」は、ご縁のある池田市に存在する、ゆかりの東くめさんの歌碑が創作の発端に、物語の舞台は廉太郎が留学し、また、文枝師が襲名公演を果たしたパリを舞台にしたもので、同じくパリに帝都視察し、後にその街づくりの参考が大阪・御堂筋着工へと至った、設計技師・直木倫太郎氏との友情が描かれている。ここに、瀧廉太郎の名曲「箱根八里」「荒城の月」、そして「花」が生の合唱で絡んでと、幾重にもリンクされていく。
 文枝師の、童謡・唱歌に対する想いというのは世代的にもかねてよりその思いはひとしおで、世情的にも廃れかねない最中に何としても残しておかなければならないと発表した創作落語「赤とんぼ」はその代表作である。今回はそこから一歩も二歩も踏み込んで、童謡、唱歌に加え、落語に対する未来のメッセージも実は込められている。明治が舞台である今作は、初代文枝のその時代であった、というのがまさしくそうで、初代文枝が残した当時の新作は今や古典落語として託されているように、瀧廉太郎の名曲も言葉は古くなったとしてもメロディの豊かさは未来永劫いついつまでも、という思いを、「花」と荒城の「月」へと託し、それはまた「花月」…ホームグラウンドである、よしもと演芸の未来にも想いを馳せている。また、倫太郎と、23歳で早世する廉太郎と友情…出会いと別れは、文枝師のそれ、とりわけ襲名を心に決めたこの1年8ヵ月に起きた別れ、襲名を後押した立川談志師、藤本義一氏、そして後輩でもあった桑名正博やしきたかじん、ほか各氏へのレクイエムでもあったのではないか。
 トップランナーとして走り続けた、入門からの約半世紀が凝縮されていたかのような襲名公演、遥かなる1年8ヵ月。このたびの作品には、決して集大成とは言わないまでもそんな風にも垣間見た次第である。
 グランドフィナーレは、五代目、そして当代・六代文枝一門勢揃いで「花」の大合唱。桜吹雪の大団円…。
 人は繋がる、その歴史は一瞬。当夜4時間超の大型公演ながら、貴重な瞬間をあちらこちらで目撃することが出来た。

« 突然変異~花粉症がピタリと止まった | トップページ | 舌打ちしたい気分 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/2016534/55306650

この記事へのトラックバック一覧です: 三枝改メ 六代 桂文枝 襲名披露公演 大千穐樂:

« 突然変異~花粉症がピタリと止まった | トップページ | 舌打ちしたい気分 »

ランキング参加してます♪

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ