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2017年1月11日 (水)

椎名林檎の黒無地

有吉佐和子を再読してるうちに、しばらくおさまっていた着物熱がまたふつふつと湧いてきました。いや、今の状況で着物を着る機会などまったく無いだけ余計に。現実逃避なのかもしれません。

話は年末の紅白歌合戦にさかのぼりますが、東京都庁から中継された椎名林檎のパフォーマンスが本当にかっこよかった。とりわけ度肝を抜いたのが衣裳。驚きませんでしたか? 黒の無地の着物に黒の帯。ありえへん、葬式やんか・・・。衝撃で腰を抜かしそうになりました。



椎名林檎さんのFacebookに紅白歌合戦のお衣裳の解説が載ってました。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

紅白歌合戦はその年の最後を祝う歴史ある慶事の場。相応しくあるよう装いました。

●着物 縮緬無地着物
●帯 市松地紋袋帯
●半襟 鶴と唐草刺繍
●守り刀(懐剣)

家紋入りの第一礼装ではありませんが色無地姿で礼を尽くせば、と。今回の装いでは、一点吉祥動物の「鶴」を用いています。長寿繁栄や祝事にかかせない、古来からのモチーフです。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

エーーーーーッ!!!
エーーーーーッ!!!

確かに色無地のきものは柄ものよりフォーマルだけど、問題は色。和装のルールでは色無地とは「黒以外」の無地のこと。黒一色に染めてしまうのは弔事に着る喪服であり、第一礼装なので五つ紋を付ける。つまり、紋なし黒無地のきものというのは、ありえないわけだよね。無地で着るなら黒一色を避けないといけないし、黒一色にするなら必ず紋を付けないとおかしいというのが、日本の常識。

でもまぁ、椎名林檎さんの場合は芸術表現として、あえて常識から逸脱させて型破りをなさっているのだから、大いにアリだと私は思います。半襟を華やかにして、喪服にならないよう注意深くコーディネートしてますしね。

Facebookの解説を読むと、喪服じゃないかという批判を意識するように「慶事」「吉祥」「長寿繁栄」「祝事」というワードを並べてるけど、ノーコメントでも良かったかも。

これね、なんで私が椎名林檎の黒無地にこだわるかといいますと、うらやましくてしょうがないんですよね。ふっくらとした縮緬の黒無地のきもの、めちゃくちゃかっこいいもん。私も着てみたいよ。どんな色の帯でもキマるよね。

私自身、きものは無地が好きなので「次つくるなら何色にしよう」と考えることがよくあるんだけど、椎名林檎の黒無地きものを見て初めて気付きました。一番着たいのは黒一色なんだと。無数にある素敵な色は実はすべて次点で、本当に私が望んでいるのは黒なんだと。タブーゆえに無意識のうちに選択肢から除外してたんですね。

そんなルールにとらわれずに、椎名林檎さんみたいにもっと自由に着物を着たらいいとは思うんだけど、やっぱり意気地がない私。ネットで画像検索しても、あんまりいないですね、黒一色の人。すごい勇気ある人だと感心してる。

ちなみに1つわからないことがあります。五つ紋の黒無地のきものは帯を華やかに変えれば、裾模様がなくても慶事にも着られるのでしょうか。今の常識ではNGだと思いますが、地方によっては、あるいは昔はどうだったのだろうか。



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