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2017年7月12日 (水)

親の家を片づける時は慎重に

今日も暑いです。この酷暑があと2カ月は続くと思うと、今はまだ序の口。中盤、終盤に備えて、今から体力温存するべくよく眠っております。

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ところで私には、三年来、心に重くのしかかっていることがありました。話は三年前、母が急性の心臓病で倒れて意識不明になり、入院した時のことに遡ります。幸い手術がうまくいき、意識も戻り、2カ月間の入院生活を送ることになりました。この母の入院を機に両親と同居生活することを決意。前職を辞めて、とりいそぎ着替えだけを持って私は実家に戻ってきました。

さて実家に住んでみて閉口したのが、物の多さ。昭和ヒトケタ生まれの両親には「捨てる」という概念がまったくなく、決して広くない4LDKのマンションに半世紀は蓄積されてきたであろう荷物がビッシリ埋め尽くされていました。

入院中で不在の母の部屋も凄かった。足の踏み場もないほど物が溢れていて発狂しそうになりました。

キーーーーーーーー!!!

ひどい、ひどすぎる!こんなに物が溢れてるから病気になるんやんか!退院してもこんなに物が多かったら、治るものも治らんよ!つまづいてケガしたらどうすんのよ!

そう、私自身、少しおかしかったかも。母の病に気が滅入ってましたし、これからどうなるんだろうという先の見えない不安でいっぱい。ずっと内に抑え込んでた自分の感情が、荷物だらけの母の部屋を見たことにより、怒りとなって大爆発してしまいました。

「もう何もかも捨てる!こんなゴミ部屋に戻ってきても、また病気になるよ!今から私、おかあさんの部屋の断捨離をするから!」

父に宣言した瞬間から、狂った勢いで母の部屋の整理を始めました。母に断りもなく私の独断で不用品を処分。2日間かけて母の荷物の7割ほどを処分したおかげで、部屋が見違えるほど綺麗になりました。2カ月後、退院して自宅に戻った母も部屋を見て「ずいぶんスッキリしたわねぇ。ありがとう」と心から喜んでくれたようでした。良かった〜。

ところがしばらく経ったある日のこと、突然母が言い出しました。
「○○ちゃん、私が大事にしていたバッグはどこ? ほら、お父さんとイタリアに行ったときに買った革のバッグと、伯母さんから貰ったワニ皮のハンドバッグ。いくら探してもないのよ」

青ざめました。その2つのバッグは一瞬迷ったものの、かなり古いし、高齢の母がこれから使うことはもうなかろうと判断して、ゴミ袋に入れたことをはっきり記憶していたからです。

「ねえ○○ちゃん、私の2つのバッグはどこ?2つともすごく思い出があって大事にとっておいたのに。命の次に大事なバッグよ。あのバッグが見つからないから困ってるんだけど」

しまった・・・100パーセント捨ててる。でも本当のことは、今はまだ言えない。言うとショックを受けて大変なことになる、と判断した私は咄嗟に嘘をつきました。

「ああ、あのイタリアのバッグとワニ皮のバッグね。あれ、オシャレでいいなぁ〜と思ったから、勝手に私が貰っちゃった。私の自宅に保管してるよ。ごめんね」

そう言うと、心から安堵したのか母の表情が和らいで、
「良かった。あるんならいいの。安心したわ。いつかまたこっちに持ってきといてね」と言いました。

困った。私のバカバカバカ!母が命の次に大事にしているようなバッグをなんで捨ててしまったんだろう。どうして置いといてあげなかったのか。本当に私は悪い娘だ。後悔と自責の念で何度も何度も落ち込みました。

いっそ正直に告白して謝って、母に新しいバッグを買ってあげようかと何度も思いましたが。いやいや、新しいのを買えばいいという問題ではない。母の思い出を捨ててしまったのだから・・・。

母も常にそのバッグのことを覚えているわけではないようで、このまま忘れてくれたらいいのにと何度思ったことか。でも半年に一回ぐらい、思い出して言うんです。「あの、バッグ持ってきてね」と。母が思い出すたびに「うん、次に私の自宅に戻ったときに持ってかえるからね」と口先だけで誤魔化してました。そんなことを三年間ずっと繰り返してきました。

ところがとうとう先日、母がキレてしまったんです。
「今度こそ持ってきてちょうだい」
「わかりました」
というやりとりがあったのですが、結局私が持ってかえらなかったので、母も何かを察知したようです。悲しそうな顔をしただけで、何も言いませんでした。

あああ、もう誤魔化せない。正直に言おう。そしてちゃんと謝ろう、とようやく私も腹をくくりました。その日は母がデイサービスに行く日だったので、母が帰宅して気持ちが落ち着いた頃を見計らって、謝るつもりでした。私にとっても誤魔化し続けて本当に心苦しかった三年間でした。それも今日で終わりにしようと。

朝、母をデイサービスに送り出した後、母の部屋に掃除機をかけました。掃除しながら、なぜか唐突に頭によぎるものがありました。(もしや、もしかしたら・・・あの時バッグを捨ててなかったのでは?)

すぐに掃除機を止めて、押入れの上部の天袋を開けてみました。

なんとあったのです。イタリアのバッグとワニ皮のバッグが。

力が抜けて、ヘナヘナになってしまいました。100パーセント捨てたものだと思い込んでいたのに、私の完全な思い違いでした。この三年間、ずっと苦しんでいたことはいったん何だったんだろう(笑)

ともあれ、良かった。母が喜んだのは言うまでもなく、私にとっても今年最大に嬉しかった出来事と言えます。

しかし本当に参りました。親の家を片づけるときはくれぐれも慎重に気をつけましょう。

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