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2018年5月10日 (木)

リサイクル着物について私の考え(長文です)

昨日は前置きのつもりで宮尾登美子さんの椿の着物のことに触れましたが時間切れになってしまいましたので、今日は本題に入ります。今日このブログを書く発端は、先日のおかんさんの記事に着物愛を感じ、感銘を受けたからです。(リンクさせていただきます)


安くて楽しむ♪ キモノ日和り 「安くて楽しむ♪ キモノ日和りのコンセプト」


おかんさんが、リサイクル着物を愛好することを快く思わない読者さんがいらっしゃることを知り、正直で真摯な思いを綴っておられましたので、同じくリサイクル着物や反物、帯のおかげで着物を楽しませてもらっている私自身の考えも書いてみます。


先の宮尾登美子さんの「死出の衣裳にもしたいほど惚れ込んだ椿模様の着物」は、実は宮尾さんの友人が着なくなった黒大島を洗い張りして再生させ、リメイクしたお品だそうです。少女時代から恋焦がれていた椿模様もさることながら、「新品をそのまま着るのではなく、大げさにいえば廃物利用の精神と美との融和がいかにも私ごのみ」と書いておられました。土佐の花街のお嬢様として蝶よ花よと育てられ、最後は押しも押されもせぬ大作家として成功を収めた宮尾さん。いくらでも新品の着物を誂えることが出来たでしょうし、実際に高価なお着物もたくさんお持ちになっているのにもかかわらず。


これは着物にハマればハマるほど、新品をそのまま着ることにいささか物足りなさを感じ、では次にどうしたかというと、日の目を見ず死蔵させている着物を攻略するおもしろさに目覚められたのではないかしらん?ありったけの知恵とセンスを投入して、古い着物をよみがえらせることは、とても知的でスリリングな作業だと私は思います。


元々、日本の着物は繰り回すものですよね? 最初は白生地から薄い色に染めて誂え、染めかえるたびにどんどん色を濃くしていき、仕立て替えして子どもらに着せて、いよいよ着物としてくたびれてきたら、お布団の生地にする。そして最後は赤ちゃんのお襁褓というように、一反の反物を無駄にせず最後までとことん面倒を見る。着物って繰り回すことを想定して、直線断ちなのかな? 日本人のすごい美徳だと思います。文化だよね。


そういった点を踏まえると、


新品の着物 = 上等な人が着るもの
リサイクル着物 = 下等な人が着るもの


という二極化するものの見方は、あまりにも単純すぎるというかね。そういう風に捉えている人がいるとしたら、本当の着物好きではないような気がします。たんにお金持ちやセレブが好きなのではないかと。何かコンプレックスでもあるのかな、と思ってしまいます。


余談ですが「安くて楽しむ♪」おかんさんは、ブログ上の交流でまだお目にかかったことがないのですが、京都の悉皆の文字さんよりお話を伺っております。「おかんさんは良い着物を本当にたくさん持ってはります。お若い時にものすごくお金を使ってらっしゃいます。高価な着物をたくさん誂えたけど、その頃の趣味が地味だから、今はリサイクルで華やかな着物を楽しんでらっしゃるんですよ」と文字さんが仰ってました。なるほど、お若い時にさんざんお金を使ってお勉強なさってきたから、リサイクル着物を見る目も肥えてらっしゃるのだと思いました。また、高価なお着物のことを決してひけらかさないところも、スマートで好きです。(バラしてしまって、すみません)


あと、リサイクル着物を懸念なさっている方のご意見として、「先細りの伝統産業と生産者様の行く末を思い、リサイクルばかりを取り上げられては余計に売れなくなる」というのがありますが、これは相乗効果を期待しています。まずはリサイクルから着物の間口を広げないことには・・・。


作家さんや生産者さんの立場で考えてみたら、自分が製作した作品をプロパーで買ってもらえるのはもちろん嬉しいことだけど、過去に製作した愛着ある作品がリサイクル市場に出て買い手がつくのも嬉しいのではないかと思うんです。というのも、かつて私自身が本の出版のお手伝いの仕事をしていたことがあり、20年前に自分が書いた本がブックオフで50円で売られていてそれを買ってくれる人がいたら、めちゃくちゃ嬉しいですもん。なんなら図書館ならタダで読めるけど、それでも読んでくれるだけで、その人に頬ずりしたいぐらい嬉しい(笑)モノづくりをしている人は、お金だけじゃないんだよね。


同じように、リサイクル着物だって最初は新品だったわけだし、その着物を心を込めて製作した作家、生産者がいるわけで。その方たちにとっては、新品もリサイクルも愛しい我が子に変わりなし。誰も着なくなって箪笥の中で朽ち果てるより、いろいろな人の手に渡ってどんどん着てもらえたほうが遥かに嬉しいはずだと私は思います。

そして最後に。新品をお誂えできる環境にある方はどんどん誂えていただいて、よろしければ私の目の保養をさせてください^^

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